ちょっと日本にハイパーローカルがあったなんて驚きました。ハイパーローカルとは2009年頃、米国のメディア業界で飛び交っていた言葉で、米国の地方紙が次々と廃刊をする中、個人ブロガーが地方新聞の不在を穴埋めする形で、その地域に特化したニュースを流し始めました。市議会の議事録や、その地域の高校のバスケットボールの試合結果、その土地の警察の事件簿などなど、どこまでもその地域に特化した情報を扱うことから、このグローバル化の時代に、逆に面白いよと人気をさらったスタイルです。

ところが一時期は米国で4000ものハイパーローカルメディアが生まれたにも関わらず、だいたいが少数精鋭で、広告営業が上手くいかなかったのと、安定的なクオリティの確保に失敗して、そのほとんどが休眠か閉鎖の道を歩むことになりました。つまりハイパーローカルとは米国では失敗したモデルという事になっているのですが、ビジョンそのものは悪くないので、著名投資家のウォーレン・バフェットなどは、「ローカルニュースの伝達では、なお新聞の一人勝ちだ」と逆にローカル紙を買収してるんですね。

僕もハイパーローカルは、マネタイズの面で難しくはあるものの、かつてどこかのハイパーメディアクリエイターが、女子高生にとって最大のキラーコンテンツは彼氏からのメールである」といった名言を残している通り、どんなに世界中が繋がり、隣の芝が青く見えたとしても、『人間は結局のところ身近なモノ、身近な情報に帰結する』と思うので、ハイパーローカルには注目してたのですが、ここに日本で恵比寿新聞という成功モデルを実現してる人がいるのに驚きました。

結構、恵比寿新聞に飲食店が掲載されると、お客さんが来るようなので、もしかしたらオンドメディア戦略はWebデザインの会社やSEO業者などのWEB業界のみで有効なのであって、その他の飲食店や小売店などは、このようなハイパーローカルメディアと組んだほうが効果は高いのかなと思いました。だって飲食店や小売店にとって一番来てもらいたいお客さんは、その地域に住んでいる人であって、その人に固定客になってもらうことが至上命題ですからね。

さらに政治方面でも面白いと思います、例えば地方議員(都道府県会議員、市町村議会議員)よりも国会議員(衆議院議員、参議院議員)の方が知っているって人は多いのではと思います。逆に地方議員は身近な存在だけど、「普段は何してるの?」と思っている人は意外にも多いのではと思います。

結構、身近であるはずの都議会や県議会の情報を知らないがために、損をしているケースがあると思うので、悪く言うなら『みんな注目してないから、まぁ良いじゃん』といった感覚で運営されているケースが、かなりあると思うので、ハイパーローカルを使って地方議会を監視するのも良いと思います。むしろ政治に関心が向かないのは、地方議会の情報が届かず、『どう運営すれば僕達が損をして得をするのか?』イメージがわかないのに原因があると思っています。主要なテレビや新聞でやってるのは日本国全体の話ばかりですからね。



あとは観光でしょうか?ローカル情報はまさに、そこに住んでいる人にしか分からない情報なので、もしもその土地に、伝統工芸や特産品の果物などなど、日本にしか無いものがあれば非常にチャンスです。だいたいの旅行者はBBC Travel など有名な旅行サイトを見て日本を訪れますから、日本のローカル情報を英語で発信したら、それだけで貴重です。ゆるキャラを大量生産するよりも、むしろハイパーローカルメディアを量産して、交流を深めるのが観光戦略として重要だったのではと思います。

とにもかくにも、この恵比寿新聞は凄いと思います。まだまだこのモデルには色々な可能性があると思うので、僕も研究をしてみたいと思います。



【参考】

・AOLの「地域サイト」失敗から何が学べるのか



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